「…となるから、エッキスは15になるわけだよ」
「エッキスってなんなん。エックスでしょ?」
「ウチのクラスの数学担当の多田じぃ先生はエックスをエッキスと言うねん。めっちゃ笑ける!」
「相変わらずあんたの笑いのツボわからへん。なんやろイラッてするわ」
「しかもずっと聞いてたら、エッキスエッキスって子守唄みたいで熟睡?みたいな?」
「無視かい。だからあんたのノートって空白だらけなんやね」
「と言うか、お嬢さん。さっさと回答を書いてくれたまえ。何で撚りによって今日、居残りくらうん?」
「ウチのクラスの数学担当のパンプキンに聞いてくれる?ちょっと宿題忘れたからって…」
「パンプキンって…あんたの担任やん。確かにカボチャっぽいけど。てか宿題はしぃよ…」
「あぁぁあ、もう4時半過ぎてる!加藤先輩の試合終わってまうー!」
「その加藤先輩、キーパーの佐々木先輩とデキてるってウワサ知ってる?」
「……嘘!?何なん、共学のこの学校でその危なげな疑惑!!……素敵!」
「なんで素敵がんのよ…普通はショックを受けるところやと思うねんけど」
「何でよ!いい?人間の人生に必要なのは愛と刺激と多少のエロやん!」
「どっかで読んだことあるセリフを力説せんでよ…どうでもええから、エッキスは15って書きいよ」
「終わった―!ありがとう!持つべきものは、見かけによらず秀才なダチやね!!」
「何か一言多いねんけど…。まぁ居残りの問題全部解いてあげたんやから。食堂のオムライス1週間分ね」
「………お礼を撤回させて頂いてもよかろうか?」
あほらしい日常が輝いて見えるなんて、戯言と思っていた16の夏。